1993年に岩手県は大冷害。翌年の種もみが確保できずにいたが、沖縄県や石垣市の協力により、寒さに強い品種(岩手34号:かけはし)2tを真冬の1月に植え、5月に種もみ116tを収穫し、岩手県に持ち帰り何とか田植えができた。結果、94年は大豊作となった。
しかし、そこには幾多の困難を乗り越えて責任を果たした県職員の故高橋洋介さんと農業改良普及員の故菅原邦典さんのご尽力によるものがあった。その石碑を前に感慨深いものを感じた。
奇しくも石垣市に視察に行った日の地元紙の社説には「かけはし交流」の事が書かれていた。視察項目は農業振興についてであったが、冒頭に93年当時の記録映像などが編集されたDVDを拝見させて頂いた。涙が溢れてきた。米一粒にどれだけの思いが詰まっていたか。このご恩は絶対に忘れてはならないと思った。
自然災害は色々な形で我々に大切な何かを教えてくれている。あまりにも大きな試練だが、未来に望みをかけて我々は何度も何度も共に乗り越えてきた。日本の風土には自然への畏敬と隣人への慈愛に溢れているものが多い。感謝の思いでいっぱいである。
2024年02月28日